学会とは何か ─学会はLIVE、研究者はアイドル─
こんにちは。サイコうさぎです。
この記事は、
・「学会とは何か」をなるべくわかりやすく解説する
・「学会とアイドルの共通点」について考察する
・「産業ストレス学会に参加してみた」話を共有する
ことを目的に書いております。
結果的に、この記事が読者の皆さまにとって
・「学会」が行ってみたい場の1つに見えてくる
・「学会」が身近に思えてくる
・「学会」の魅力を探ってみたいと思える
ものになるといいなと思います。
─学会はLIVE─
突然ですが、皆さまはLIVEがお好きですか?
・大好きなアーティストのコンサート
をはじめ、広義には
・応援しているスポーツチーム(選手)の試合観戦
・劇場で行われる演劇やミュージカル
など。
例えばアイドルならAKB48、サッカーなら川崎フロンターレ、ミュージカルなら宝塚歌劇団など。
LIVEのような「自分が追いかけている対象を軸に、人が集まる場」って、とても魅力的だと思うのです。
・LIVEの場が作り出す緊張感が好き
・ひいきしてるチームが勝負事に勝つと、テンションが上がる
・ファンコミュニティでの交流が楽しい
LIVEに出向く動機は人それぞれかと思いますが、とにかくかけがえのない空間だという気がしています。
ここで問題提起。
「とある研究が好き」な人が集まる場(LIVE)はどんなところなのか?何がどう魅力的なのか?
それが、本日お話ししたい「学会(学術大会)」についてです。
😲※サイコうさぎはアイドルに熱狂している人(アイドルオタク、通称ドルオタ)のため、「アイドルコミュニティの共通点」について考察しながら、この記事を書きたいと思います。
─学会とは何か(定義)─
繰り返しになりますが、一言でいうと、
学会=「とある研究が好き」な人が集まる場(LIVE)
です。
もう少し公的に、厳密に申し上げますと、
「学者相互の連絡、研究の促進、知識・情報の交換、学術を振興とする場」
であります。
※広辞苑によれば、学会とは上記のような場(学術大会)を提供する「組織」を指すのですが、本記事では但し書きがない限り、学会=学術大会を指す言葉として用います。
私のように、
・「ストレスフリーだと思いながら働いてる人が、どういう気持ちで働いてるのか知りたい」
という研究にワクワクしてる人もいれば、
・「ストレスフルな環境で働き続けると、どんな病気にかかりやすくなるのか」
という研究にワクワクしてる人が1つの場に集まって、
自分の研究成果を発表する、オーディエンスとして学ぶ、学会を運営する、対話を通して交流するといった活動をしています。
─学会の魅力─
~学会とアイドルの共通点~
学会=アイドルのLIVE空間みたいだ!!
と私は思っています。それが魅力の1つだということを提唱したい。
もちろん、目に見える側面では学会とアイドルLIVEは全然違います。
私も学会に行く前は
「なんかえらい人たちが難しくてありがたいことを喋ってる場所、退屈」
「頭の良い大学関係者、研究者しか行ってはいけない場所、場違い」
「閉鎖的なコミュニティの寄り合い、こわい」
みたいなイメージを持ってました。こわいところだ。
しかし、
学会(組織)がどう成り立ってるのか、
学会(学術大会)の参加者たちがどんな人なのか、
学会(登壇者)で発表する人はどんな人なのか、
ということを抽象的に考えていくと、学会について違った見え方がしました。実際は超楽しいコミュニティ。マジでアイドル。
そこで、少し持論を展開していきたいと思います。
説明のため、「AKB48グループ」と「産業ストレス学会」を比較してみたいと思います。
※本当はアツく語り倒したいところですが、夜通し語れちゃうのでだいぶ割愛しました。残念、無念、また来年。。。
★学会(組織)とアイドルコミュニティの共通点
どちらも
・同じ関心事に興味がある集団
・1つのものが大好きな集団
・共通点と相違点がある集団
だと考えられる。
例えばAKB48グループを例に考えてみよう。
AKB48グループのファンコミュニティは、
・「アイドル」に惹かれる人々によって構成される。
・1つの対象を追いかけてる「オタク」集団である ※ファン度の強さには個人差があります
・「AKB48」という概念に惹かれているという点で共通してるが、「秋葉原の48が好きな人がいれば博多の48が好きな人もいる」といった相違点が存在する
と考えられる。
では、学会はどうか。
・「研究(ここでは産業ストレス)」に惹かれている人々である
・1つの対象を追いかけてる「オタク」集団である ※ファン度の強さには個人差があります
・「研究(ここでは産業ストレス)」という概念に惹かれるという点で共通しているが、「産業医としての役割に興味がある人もいれば、人事としての役割に興味がある人もいる」といった相違点が存在する
あれ....??
★学会(登壇者)とアイドルの共通点
・夢を与えてくれる
・会いに行ける存在である
・同じ土俵で活躍すれば、会いに来てくれる存在である
・「普通の女の子」が、「アイドル活動を頑張って」、「ステージに立つ」ストーリーをもつ
・「握手会」や「LIVE」を通して、交流することができる
・前田敦子さんに「憧れて」、「同じ土俵(つまりAKBのステージ)」に立てば、会いに来てくれるかもしれない
とある学会登壇者。
・「ある人」が、「研究活動を頑張って」、「ステージ立つ」ストーリーを持つ
・「懇親会」や、「学会(学術大会)」を通して、交流することができる
・〇〇さん(特定の研究者)に「憧れて」、「同じ土俵(つまり学会のステージ)」に立てば、会いに来てくれるかもしれない
※〇〇さんが研究を引退している場合は起こりにくいかも
私たち....?
★学会(学術大会)とLIVEの共通点
・好きなものを通してつながる場を提供する
・好きなものを拝め、発展させる
・好きなものを、より好きになって追いかける(沼)
(説明略)
同値だねーーーーーー!!
※同値ではありません
─産業ストレス学会に参加してみた─
ここまで、
・「学会」が行ってみたい場の1つに見えてくる
・「学会」が身近に思えてくる
と、読者の皆様に思ってもらえることを願って文章を書きました。
そのために、「学会とは何か」「学会の魅力」「学会トアイドルの共通点」について考察してみました。読者の皆様にとって、学会が面白い場に見えてきていたら幸いです。
最後に、
・「学会」の魅力を探ってみたい
と思ってもらうことを願って、「産業ストレス学会に参加してみた」話を書いてみたいと思います。
★産業ストレス学会に行ってきた
11/29金、11/30土と、「第27回日本産業ストレス学会」に参加してきました。さっきからちょいちょい例に出している学会です。
「発表できる研究ができてから学会行け」という心の声が聞こえつつ、学会に行ってトレンドを押さえることは「心理士の道」(特に産業心理臨床)を進む上で大事だよな、むしろ分からないからこそ学ぶんだよなと思い参加。
フリーター、学会へ行く。
★今回の学会のテーマ
この学術大会は、「産業ストレスの研究に興味ある人」が集まる場です。
今年は、
産業ストレスと法 〜多職種の共働による予防法務の確立に向けて〜
※大会HP:http://www.knt-ec.net/2019/jajsr/program.html
がテーマということで、そのテーマに沿った話題の集まり方、人の集まり方が特徴的でした。
話題としては
・ストレスチェックの意義、活かし方についての多職種連携
・パーソナリティ障害を持つ人の復職可否について模擬裁判
・労働者を支援する法律の国際比較(米、蘭、日など)
などが目玉の演目だったのかなと感じました。
参加者は、
・医療職(産業医、保健師など)、心理職(公認心理師など)、司法関係者(社労士、弁護士など)、企業人(人事・労務など)、そして産業ストレスに興味がある人
などが一同に集まっていました。
ふーん、って感じかもしれませんが、「医者と弁護士と企業人etc...」が、1つの場所に集まって議論してるって、なかなかレアな光景だと思うんですよね。しかも一ヵ所じゃなくて、そこら中で。だけど、これからの時代は連携が必要らしい。
学会全体を通して、「連携」と「対話」の重要性について提言していて、とても腑に落ちました。刺激的な空間でした。
★個人的面白ポイント
正直言って、「どの演目も最高!!」って感じでしたが、サイコうさぎ的にこれは心に響いたな、っていう話題を3つ、メモしておきます。
きちんと情報収集して考察して、いずれは記事にしたいと思います。
・「即座の具体的対応」を求める若者
→大学内カウンセラーさんの話。近年カウンセリングに来る大学生について、次のようなことをおっしゃってました。
「知的・現実的・具体的な関わりが優位。一方で、自分の感情や他者の感情を直感的に把握する能力が低下してきていると感じる。こういう変化は、近年の社会変化への適応の結果ではないか。」
#情報化社会(仮説)
・「両価性」を受け入れる ~パーソナリティ障害を例に~
→これは精神分析の理論。
パーソナリティ障害を抱える人は、
①相手に対するイメージと自分のイメージが融合している
②「良い自分」と「悪い自分」が分離して、その両価性を受け入れがたい
このことで苦しんでいると考えられる。
#自己愛
・「発達障害」を考える ~障害ではなく遺伝のバリエーション~
→とある大学教授の講演で惹きつけられた話。
・ASD(自閉症スベクトラム症)は神経の1つの種類(個人差)であり、「障害」ではないのでは?
・現に、ASDの遺伝子頻度は高い。もしASDが生存に不利なら遺伝子が淘汰されてるはず。このことから、ASDの人がいることで、人類は何かしらの恩恵を被っていたのではないかと考えられる。それは何か。
・発達障害の悪いところではなく、良いところに目を向けよう。
#ニューロダイバーシティ
以上です。
次の記事では自分の研究の核である、「動機づけ研究」について書きたいと思います。
ではまた、お会いできると嬉しいです。